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借り物の町と借り物のわたし(8)

03 09, 2009 | Posted in 小 説 | Thema 小説・文学 » 自作小説

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諦めの溜息を付きながら、わたしはもう一度、小銭入れの中を探った。
見事なまでに空だ。仕方なく、札入れの方を取り出し、なけなしの千円札を取り出す。
もう1箱買って、お釣りを貰おう。

気が付かないうちに婆さんは、窓口の中から消えていた。
その上、ご丁寧に中から木戸を閉めており、中を伺うこともできない。

何てことだ。

しかし、続く不幸に慣れたのか、わたしは変に落ち着いていた。
なら、自動販売機で買おう。いや、両替しよう。
しかし、確かに隣に自動販売機は立っているのだが、電源が入っていないのか、全くどのボタンも光っていない。
試しに札を入れようとしても、全く吸い込む様子がない。

万事休す。

相変わらず、携帯電話は圏外表示。木枯らしが身にしみる。

もういいか。
今日は無断欠勤だ。大事な締め日に無断欠勤。
火が出る程、怒られるだろうが、仕方ない。

わたしは頑張った。
ちゃんと連絡を入れようともした。いつも通り、家も出た。
一生懸命、自転車も漕いだし、タバコ屋の婆さんとも戦った。

誰が責めるか。いや、皆責めるだろう。責めるに違いない。
しっかり遅れ、しっかり迷子になり、壊れた携帯電話に四苦八苦。
格好悪いこと、この上ない。
そうだ。蔑まれ、罵倒され、馬鹿にされる上、怒鳴られる。

ぶるっと身震いをして、次の目的地を目指し、自転車を漕ぎなおした。
最初からそうすれば良かった。辺鄙なタバコ屋で、吸いもしない煙草を買って小銭を失くすより、そこを目指して走り続ければ良かった。


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