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借り物の町と借り物のわたし(11)

03 20, 2009 | Posted in 小 説 | Thema 小説・文学 » 自作小説

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書店、クリーニング屋、たこ焼き屋か何か、軒先に湯気を出し、香ばしいソースの香りを漂わせる。
わたしの気持ちは、一気に昂ぶった。
とはいえ、今までの経緯もあり、自転車を降りて押しながら、ゆっくり恐る恐る近づいてみた。近づくと、煙のように無くなってしまいそうで、怖かったのだ。

今回は幸運だった。当たり前だが、近づいても無くなったりしない、それどころか全ての店が開いているのだ。
逆に言えば、普通の店舗が営業を始めるような時間に既になっているということだが、それはそれ。今は開いているという幸運を、ただ歓迎することにしよう。

「まずは、どこへ行こう。」
たこ焼き屋だと思っていた店は、どうやらあれはイカ焼きだ。
大阪の方ではよく見掛けるが、この辺ではとんと見掛けない。
卵を溶き広げた上に、烏賊の下足などを加え、熱い鉄板でプレスする。
最後にソースと、場合によってはマヨネーズをかけ、折り畳んだ形で客に提供する。
ある百貨店で売っているこれは、長蛇の列をなし、有名芸能人が大量に買い込む、大阪を代表するB級グルメだ。

しかも、屋台ではなく、店舗を構えている。ソースの味が甘めなのが余り好みではないが、空腹の上、冷えの激しい現在のわたしには、非常に嬉しい食べ物だった。

ところが、どうもまだ出来上がっていない。
ここのやり方なのだろう。恐らく鉄板の温度を見る為に、ソースだけ焦がしているのだ。
思えば、こんな朝のうちに作っても、売れるような商品ではない。(先程の百貨店では別だが。)

二十代半ばの青年が、真剣な眼差しで、焦げるソースを睨んでいる。
かなり真剣に作っているのだな、と思ったが、できていないのでは仕方がない。

わたしは、まず書店に向かうことにした。

書店の前に自転車を止め、書店の様相を確認した。
ガラス戸の外には、週刊誌が並べられ、戸の中は薄暗い。
典型的な町の本屋であり、地方型の大型店舗に追いやられ、閑古鳥が常に鳴いていそうな佇まいだった。
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