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借り物の町と借り物のわたし(13)

03 25, 2009 | Posted in 小 説

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「らっしゃい。もうちょっと待ってねー。」
威勢の良い声で、それでもこちらを見向きもせず、青年はプレス機を動かす。
どうやら、どこかの芸能人のような客が来るのだろう。ざっと、三十枚くらいのイカ焼きが既に生産されていた。

そうこうしていると、青年はプレス機を止め、わたしに話掛けてきた。
「お待たせしてごめんなー。何にしよか。と言ってもイカ焼きしかないけどなー。」

「すみません。ほな、1枚ください。」
わたしは元々が関東の出身なので、余り関西弁は使わない。
特にわたしが住んでいる神戸は、そこまできつい関西弁を使う人もいないので、写らないのだろう。とはいえ、たまにはこんな感じで出てしまうのだ。

先程焼きあがったものにソースを付けて渡すのかと思いきや、別に1枚焼いてくれるようだ。やはり、先程の大量生産したものは、既に客が付いているようだ。

少し顎鬚を生やし、長めの髪を後ろで束ねた上にタオルを巻いたその青年は、こうして見るとなかなかのハンサムだ。これはもしかすると、この辺のマダム達に様相が気に入られ、結構な売上を上げているのかも知れない。
わたしも無愛想なおばちゃんがいる店と、愛想の良い可愛いお姉さんがいる店なら、断然後者に通うことだろう。もちろん、味が良いということは大前提であるが。

また、店内に少しだけ、今風に言うならイートインのスペースがある。
カウンターが三席と、四人掛けのテーブル席が一つだけであるが、既にカウンター席の一番奥には土建屋風の男が一人短い煙草をくゆらせながら、スポーツ新聞を広げている。
ビールの空瓶が既に二本並んでおり、続く一本も間もなく空になるかというところだ。

わたしは前述したように、気が弱い。
なので、彼を一見したが、じっと見ずすぐに目を伏せた。
にも関わらず、予想した通りの低いバリトンのどすの効いた声で、彼は言った。
「兄ちゃん、なんか用か?」
どうも、思ったより、眺めていた時間が長かったようだ。
しっかり見ているのを、見られてしまっていたようだ。いや、目も合ってはいないのだが。

最初は無視していた。黙ったまま、目を伏せていた。
ところが、どうも虫の居所が悪かったようで、彼は更にこう怒鳴った。
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