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借り物の町と借り物のわたし(6)

03 06, 2009 | Posted in 小 説 | Thema 小説・文学 » 自作小説

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わたしは2ヶ月前から禁煙している。それまでは、日に1箱は空ける、まあ今頃ではヘビースモーカーな方だろう。会社と妻の共同戦線(といっても、別に結託している訳ではないが。)により、禁煙を止む無くされた。

両替を頼もうと、窓口に近寄る。
愛想の悪そうな婆さんの顔を見て、嫌な予感がした。
「電話を掛けたいので、100円を両替して貰えますか。」
「10円ないよ。その電話、100円でも掛けられるけどね。」

なんとまあ、思った通りの反応か。
思わず舌打ちしそうなところをぐっと堪え、それでも100円掛けるという行為が、不幸が重なるこの朝に、何とも我慢出来ず、わたしは2ヶ月の封印を解くことにした。
「マイルドセブン...いや、セブンスターを貰えますか。」

苛苛すると、わたしはきつい煙草を吸う。久しぶりだと、さぞ旨いものだろうと思いながら、ふと大事なことに気が付いた。

「煙草は300円じゃないか。まずい、10円のお釣りはないぞ。」
当たり前である。ついこの間、300円に値上がりし、妻にしてみれば、私の禁煙を更に喜ぶ結果となった訳だが、今この時点では正に本末転倒な結果となってしまった。

「はい、280円。」
一瞬、我が耳を疑った。ぽかんとしていると、
「早くしとくれよ、寒いんだから。300円出したら、20円のお釣り。そんな計算も出来ないのかねえ。」と憎々しげに、婆さんが言う。
「わ、わかりました。じゃあ、300円。」
20円のお釣りを貰うと、ぴしゃりと窓を閉じてしまった。

婆さんは呆けているのか、値段を間違えたに違いない。
憎たらしい口を聞かれたこともあり、あえて忠告はしなかった。
兎に角も、わたしはこの朝初めての目的を果たしたのだ。

「この電話、使えないってことはないだろうな。」
早速、煙草に火を付けたいところだが、ここはまず連絡をしてからだ。
受話器を手にし、10円硬貨を投入する。


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